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- 2025/11/18
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【Co-Labo】「未来を拓く加速器 過去を語る古墳 ― 文理融合の学び」
今年度より、新しく開講している「Co-Labo」では、日々の授業で培った知識を前提として、現代社会から要請される課題解決能力を育むことを目標としています。「地域協創領域」と「学問探究領域」に分類し、夏季休業中を中心に年間を通して複数回実施されます。
11月15日(土)、「地域協創領域」として、講師に日本原子力研究開発機構に所属し、高エネルギー加速器研究機構の特任教授でもある高柳智弘先生をお招きし、「未来を拓く加速器 過去を語る古墳 ― 文理融合の学び」というテーマで、中学2年生から高校2年生を対象にご講演いただきました。
東海村にある「日本原子力研究開発機構」(以下、原研)といえば、名前は聞いたことがある、という生徒がほとんどでしたが、実際にどのような研究や活動をしている機関なのかまで知っている生徒はほとんどいませんでした。「近いけど遠い」機関である原研の活動について、生徒が知るきっかけとなりました。
原研と高エネルギー加速器研究機構の両方に属している高柳様から、まずはJ-PARC(大強度陽子加速器施設)の研究内容を紹介いただきました。研究に利用している加速器の説明を、生徒に質問を投げかけながら、図やアニメーションを使って分かりやすく解説いただきました。一見難解な研究内容も、中学・高校レベルでも分かるレベルに落とし込んで説明いただき、熱心にメモを取りながら頷く生徒の姿もありました。大強度陽子ビームの説明を聞き、実際の施設の加速器の写真を見た生徒たちは、「世界最大級の施設が、こんなにも身近にある」ことに驚いていました。
その後、研究を利用した「宇宙線ミュオンで古墳を透視プロジェクト」の紹介に移りました。このプロジェクトは、ピラミッド内部の調査で使用された実績をもつ「宇宙線ミュオン」を使用して、施設を破壊せずに内部を調査するという試みです。小学生から大学生までが参加し、現在も進行中のこのプロジェクトに生徒もロマンと魅力を感じたようで、目を光らせながら聴いていたのが印象的でした。この「古墳を透視プロジェクト」もそうであるように、昨今では、今後の社会において「文理融合の学び」が必要という認識が高まっています。高校では、大学入試を踏まえて「文系」と「理系」とに分かれますが、それは単なる便宜上のものであり、社会ではそのような区分を超越した「文理融合の素養」が必要であるからです。今回ご講義いただいた内容は、「Co-Labo」開講理念の1つである、既存の学問分野に捉われない「学際的視野の涵養」という理念にも合致したものであり、生徒の満足度も非常に高かったように感じました。本校の卒業生でもある高柳様の、今後の進路選択も踏まえたお話は、生徒にとって新鮮かつ深い学びの機会となりました。




