学校案内学校長あいさつ

建学の精神  報恩感謝
教育目標   社会報恩の念に厚い真のリーダーの育成

 茨城高等学校・中学校は、水戸藩校弘道館の伝統を継承し、1927年(昭和2年)、県内最初の私立旧制中学校として飯村丈三郎先生により創設されました。建学の精神は、飯村先生が生涯の信条とした「報恩感謝」です。私たちの生は目に見えない多くの人との関係性、すなわち恩のうえに成り立っている、そのことに感謝し、他者や社会のために役立つ生き方をしよう、というのがその考え方です。

 勝者こそ正義というアメリカ型新自由主義的価値観が揺らいでいます。世界はSDGsに見られるような持続可能な共生社会の実現を求めています。私たちは、他者に支えられて生きる自分を発見することで、他者を支えうる自分であろうとします。他者の支えであろうとする自分を実感することは自己肯定感につながり、生きる力を生み出します。茨城高等学校・中学校が一世紀近く大切に受け継いできた、このたった四文字の言葉「報恩感謝」は、現在も私たちの未来を照らし続けています。

 茨城高等学校・中学校は豊かな歴史と伝統を有する一方、常に先進的、革新的な教育を追求してきました。パラダイムシフトともいわれる時代の大きな転換期にあって、教育だけがその例外ではありえません。子どもたちに寄り添い、自立を導き、社会に貢献する有為な人材を育成するという本校の社会的使命、教育観に変わるところはありませんが、新しい学力観、新しい学校像が模索され、新たな教育のかたちが求められていることは時代の必然です。

 茨城高等学校・中学校は、2019年に医学コースを、2020年に国際教養コースをそれぞれ新設しました。医学コースは国立病院機構水戸医療センターと携協定を結び、地域医療の発展と先進医療の実現に携わる医療従事者の育成を目指しています。国際教養コースはカリフォルニア大学デービス校国際教育センターのサポートを受け、言葉や文化の壁を越えて世界を結びつけるグローバル人材の育成を行っています。いずれも学校や教室の枠を越えて広がる、全国的にも例のない先進的な教育実践であると自負しています。

 2021年には、生徒が個人用学習端末Chromebookを持ち、活用するシステムを構築しました。ICTインフラの整備、教員のスキル向上とあいまって、新型コロナ感染拡大による休校時においても、本校では通常時間割にそったオンライン授業の実施が可能であり、学習の遅れは生じません。また、Chromebookは日々の授業の中でも活用され、特に英語力の養成に著しい効果をあげているオンライン英会話をはじめとする様々な探究学習においてその威力を発揮しています。知識偏重ではない新しい学力、柔軟で創造的な思考力を育成するうえで、ICTやChromebookを活用した探究学習はすでに本校教育の大きな柱となっています。

 新しい教育実践を可能にしているのは、その基礎となる高い教育力です。長年、生徒たちの学力を支えてきた質の高い授業は本校教育の礎です。放課後や長期休暇に実施される課外授業は、授業での理解の欠落を補い、またより発展的な学習を可能にします。入学当初から6年後、3年後を俯瞰した経験豊かな教員による指導の中で、生徒たちはしなやかな知性と豊かな教養を育んでいきます。

 中学、高校時代は、長い人生の中で見ればほんのわずかな期間に過ぎません。しかし、それは人生の土台を築くかけがえのない時間です。「自分とは何者か」「社会に生きるとはどういうことか」という声にならない問いを繰り返す中で、生徒たちは自らの歩むべき道を発見し、切り拓いていきます。型にはめられた画一的な教育の中では、本当の自分を見いだすことは困難です。多様な学びの機会の中から自らの責任で選択し行動することが、「かけがえのない個である自分」の発見をもたらし、本物の学びへとつながっていくのです。

 茨城高等学校・中学校には、生徒を信頼し、その成長に寄り添う風土があります。生徒たちが互いに支え合い、高めあう環境があります。生徒たち一人一人にとって、本校で過ごす月日が、未来に夢を馳せ豊かな成長をとげる時間となることを願ってやみません。

茨城高等学校・中学校
校長 梶 克治