学校案内学校長あいさつ

報恩感謝

 1927年、政治家、実業家として茨城の近代化に多大な貢献をした飯村丈三郎は、社会の指導者たり得る有為な人材の育成を目的に、生涯最後の大事業として、現在の茨城高等学校・中学校を創設しました。建学の精神は「報恩感謝」。飯村が生涯の信条とした、たった四文字のこの言葉を、私たちは100年近く大切に受け継いできました。私たちの日常は、多くの人々との目には見えない関係性、「恩」によって支えられている、そのことに感謝し、いつか自分も他者のため、社会のために役立つ生き方をしよう、というのがその考え方です。
 報恩感謝は、共生の思想です。自らが他者の恩によって生かされているという気づきは、人と人とが認め合い、支え合いながら生きる社会の構築への意志をもたらします。21世紀も4分の1が過ぎた現在、戦後の世界を80年間支えてきた国際秩序が機能不全に陥っています。利己主義、不寛容、排他主義が、社会の分断をあおり、覇権主義と暴力が民主主義を後退させようとしています。こうした時代の中でこそ、他者のために生きることの豊かさを説く報恩感謝の教えは、私たちの行く手を照らす灯火となり得るのではないでしょうか。

 混沌とした未来を生きる子どもたちに、今、教育が手渡せるものは何か。私たちはそれを、時代の変化に揺らがない本物の知性であると考えています。本物の知性は、有意義な知的体験との出会いの中で成長します。茨城高等学校・中学校は、長い歴史と伝統を有する一方、よりよい教育を求め、常に革新に挑んできました。医学コース、国際教養コースの設置、国内外の複数の大学との協力関係、大学や企業、地域社会と連携した探究学習Co-Labo、駿台教育センターとのパートナーシップとAI教材駿台atama+の導入など、独自の、ユニークで質の高い学びの機会を随所に設けています。
 私たちは教育をあきらめません。答えのない問いを前に、思考停止に陥ることなく果敢に挑戦する子どもたちを、未来への希望を失わず、よりよい世界の実現を志す子どもたちを育てていきたいというのが、茨城高等学校・中学校の教育の原点です。
 中学、高校時代は、長い人生の土台を築くかけがけのない時間です。本校で過ごす日々が、生徒たち一人一人にとって、未来に夢を馳せ豊かな成長を遂げる時間となることを願ってやみません。

2026年4月
茨城高等学校・中学校 校長 梶 克治