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- 2025/09/25
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【Co-Labo×慶應義塾大学】[食育活動]「生涯を支える食事・あなたの注意点」
今年度より、新しく開講している「Co-Labo」では、日々の授業で培った知識を前提として、現代社会から要請される課題解決能力を育むことを目標としています。「地域協創領域」と「学問探究領域」に分類し、夏季休業中を中心に年間を通して複数回実施されます。
9月20日(土)、「学問探究領域」および「地域協創領域」として、慶應義塾大学食育活動「生涯を支える食事・あなたの注意点」を実施しました。講師として、慶應義塾大学医学部化学教室より井上浩義先生、ひたちなか市にお店をかまえる「京遊膳 花みやこ」より西野正巳様、放し飼い合鴨生産者として西崎ファームより清水司様にお越しいただきました。
最初に、井上先生よりご講義いただきました。昨今の医療費の高騰などを背景に、病気になる前に、食事によって事前に病気を予防することに注目が集まっています。身体のしくみを含めて、食事の改善や必要な栄養素など、「生活」を医学的な根拠から説明くださいました。特に今回は、食物繊維に着目してのお話しでした。食物繊維の摂取は、がん(大腸がん)のリスクを軽減する作用があるそうです。日本人の食物繊維摂取量は、戦後から減少しており、食物繊維の重要性を再認識する必要を感じました。食育を通して、「食事」を医学的な観点から見る目を養うことが、将来の医療にも大きく影響を与えることを学び、「食育」が持つ可能性の大きさを感じ取ることができました。生徒とユーモアあふれるやり取りをしながらの井上先生のお話に、生徒たちも引き込まれていた様子でした。
次に、西野先生ご講義いただきました。西野先生は、ひたちなか市にお店をかまえる「京遊膳 花みやこ」のオーナーシェフでありながら、「常陸国ガストロノミー」の取り組みの一環で、茨城県の観光活動や食育活動にも携わっていらっしゃいます。「常陸国ガストロノミー」では、「食事」を単なる食べる行為ではなく、その土地で生産されたものを食べることで、観光や歴史、文化にも触れる機会として捉えます。地のものを食べることで免疫力を上げることもそうですが、生産者を知り、会うことでも安全・安心な食事を摂ることができます。何よりも、食事で幸福感を得ることが何にも代えがたいものであることを、改めて認識しました。今回使用した合鴨を提供いただいた西崎ファームの清水様からは、茨城県における農業の可能性をお話しいただきました。「完全放し飼い合鴨」を実現するうえで、「鴨を育てるのではなく、育ってくれるのを待つ」という観点から、可能な限り合鴨のストレスを無くしていく、アニマルウェルフェアを意識した試みは、途方もない努力の結晶であると感じました。また、農業を通じて社会を豊かにしていこうという熱意を、生徒たちは強く感じたようです。
生徒たちは家庭科調理室に移動し、いよいよ西崎ファームさんの「かすみ鴨」を使用した調理実習となりました。生徒たちは軽く鴨肉に焼き目を入れた後、西野先生にお持ちいただいた調味料である「ブラッドオレンジ胡椒」を自分たちで調合し、試食しました。今まで出会ったことのない柔らかい食感と味わいに、生徒たちは夢中になっていました。 今回の機会は、多くの方々のご尽力のもと、実現した貴重な機会です。生徒たちは、自分たちが住んでいる茨城県の魅力、そして農業や食育の可能性について再発見する機会となりました。「農業を見る目変わった」「将来は自分が住んでいる町の発展に貢献してみたい」との声も生徒たちから上がり、将来が楽しみです。いただいたご縁を大切に、Co-Laboでは今後も、将来の社会を担う生徒たちの視野を広げ、行動できる実践力を養う機会を提供していきたい思います。改めまして、御協力いただいた先生方、誠にありがとうございました。






