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  • 2024/02/24
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高1化学 牛乳でブラウン運動を観察してみました

高校1年生の化学で,コロイド溶液の観察を行いました。コロイド溶液とは普通の分子やイオンよりも大きい粒子(直径1~100 nm程度)が分散した液体のことで,牛乳や墨汁がこれにあたります。

(左)コロイド溶液(薄めた牛乳)  (右)普通の溶液(塩化銅水溶液)

このように,普通の水溶液と違って濁っていますが,泥水とも異なり静置しても沈殿しません。これにレーザー光を当てると,何が起こるでしょうか。

普通の水溶液と違ってコロイド溶液では光の道筋がよく見えます。これをチンダル現象といいます。

また,コロイド溶液を高性能な顕微鏡で観察すると…

ゆらゆらと不規則に揺れ動いているのは牛乳の成分からなるコロイド粒子です。この不規則な動きをブラウン運動といい,途方もない数の水分子がコロイド粒子に衝突するために生じます。

ブラウン運動の発見当時(1827年)は原子や分子の実在が曖昧だったそうですが,その後アインシュタインらがブラウン運動をもとに研究を重ね,原子や分子の実在が証明されていくことになります。

授業では,観察とともにブラウン運動が起こる理由を考え,この可愛らしいコロイド粒子のダンス(?)が実は科学史に残る重要な発見であったことも紹介しました。