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  • 2023/11/20
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高1化学 トリチェリーの実験を水で再現してみました

高校1年生(一貫)の化学で,トリチェリーの水銀柱の実験を水で再現してみました。階段を使って高さ10 mの水柱を立ち上げ,大気圧を実感しました。

トリチェリーは1643年に大気圧の存在を示す実験を行いました。トリチェリーは水銀の入った容器に水銀で満たしたガラス管を立てると,水銀が高さ760 mmまで落ちてくるものの,それ以上は落ちてこないことを発見しました。これによって大気が容器の水銀面を押しており,その大きさは760 mmの水銀が持つ圧力と等しいことを示したのです。

水銀は有毒なので,今回は水でこの実験を再現しました。しかし水は水銀よりも軽いため,760 mmでは大気圧と釣り合いません。そこで生徒の皆さんが計算したところ,10.3 mの水を用意すれば大気圧と釣り合うことが予想されました。
実際に長~い透明チューブに色水を入れて,校舎の1階から4階まで持ち上げてみました。すると確かに約10 mまでは色水がありますが,10 m以上では真空になることが分かりました。
チューブの水の圧力と大気圧が釣り合うことを目にした皆さんからは感嘆の声が上がりました。

ポンプがないので仕方なく教員が水を吸ってチューブを色水で満たします。これを4階まで持って上がります。

下から見るとこんな感じです。実際に水がどれくらいの高さまであるか測ると、10 m程度でした。予想した10.3 mに届かないのは測定ミスではなく、科学的な理由があります。この理由もこの後に考察しました。

トリチェリーの実験の原理は上図の通りです。